センター日記

「固まった教材観を解きほぐそう」~第2回松山「匠」塾~

2023年10月26日 08時57分

 10月25日(水)、愛媛大学名誉教授 佐藤 栄作 先生を講師にお迎えし、第2回松山「匠」塾を開催しました。

 今回のテーマは「固まった教材観を解きほぐそう ~日本語学の視点から見直す~」。

 始めに、日本の言語文化を振り返るウォーミングアップ。

 「日本語の色を表す言葉で、ペアで用いることのあるもの」

 「日本のお話によく出てくる動物」など、

 受講された先生方は多くの意見や名称を書き出していきました。

 佐藤先生は、「色や動物など、国が変われば印象も変わる。これは物語にも影響していて、日本の言語文化にも通ずる。」と説明します。

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 次に、物語からどんなことが学べるのか、国語科教材を見直しました。

 「『おおきなかぶ』は、なぜ「かぶ」を取り上げているのだろう?」

 「『お手がみ』は、「拝啓」「前略」ではなく、「親愛なる」から始まるのはなぜ?」

 「blueもgreenも「あお」を指すのはどうして?」

 受講者の先生方は、その都度考えを巡らせます。

 佐藤先生は受講者と意見交換をしながら、各教材の言葉をもとに物語の背景まで見つめ、解説します。

 「へ~」「なるほど…」「ふんふん…」という受講者のつぶやき。

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 最後には、佐藤先生より「もっと『ことば体験』をしてほしい」という熱いメッセージをいただきました。

 穏やかにお話される中にも、言葉一つ一つの背景を考えたり教材を読み解いたりする情熱に圧倒されました。

 まさに「言葉の匠」!!

 受講者からは、

📖「受講して、教材研究の視点が広がった。物語の背景にある文化を意識して授業を組み立てたい。今後、授業で取り扱う教材でも、文化の差を意識して教材研究をしていきたい。

📖「佐藤先生の『注目語』という視点が大変勉強になった。作品の中で使用されている言葉一つ一つにこだわりをもって、問いや気付きを得られるような教材研究、学習指導を目指したい。」

📖「教材研究を言葉に着目して分析していくという、今までの自分の中にはない手法を学ぶことができた。とてもおもしろい手法で、新しい物語の切り口を感じた。言葉を使って読み、書き、話す国語だからこそ、『言葉を通して、言葉に着目して』が大切だと実感した。

という感想が見られました。

 身近な動物や野菜も、子どもたちに伝えたいことや教材を見直す大きなヒントになることが学べました。

 言葉の奥深さに触れることができた感動的な松山「匠」塾となりました😊✨