授業に応じた一人一台端末の活用(日浦小・中学校)

2021年6月2日 19時14分

6月2日に、日浦小・中学校に伺いました。日浦小・中学校では、それぞれの授業の目標の達成に向けて、当たり前のように端末を活用する授業が行われていました。その様子を紹介します。

小学校

2年生 生活「ぐんぐんそだて わたしのやさい」
 
自分たちが育てている野菜が美味しく育つための秘密や苦労について、端末を操作してスライドを見せながら発表していました。自分の発見を堂々と発表する姿に驚かされました。スライドは、お気に入りの写真を貼り付けながら、先生と一緒に作ったそうです。ローマ字変換表を見ながら自分で作成した児童もいたそうです。互いに質問し合う中で、疑問点を黒板に書き出し、みんなで解決していました。

3年生 算数「たし算とひき算の筆算」

一人一台端末のほか、指導者用デジタル教科書も活用していました。また、端末で児童のノートを撮影し、テレビで投影することで、児童の考えを素早く提示していました。筆算の手順をフローチャートで可視化し、プログラミング的思考の育成にも取り組んでいました。

4年生 算数「一億をこえる数」
 

大きな数の学習で、数字をカードで配布し、桁数に着目しながら小さい順に並び変えていました。端末を使用することで、紙でカードを配るよりも格段に速く配布することができます。一人一人が考えながら操作をしたり、全体の場で考えを共有化することで、考えを深めることができていました。

5年生 音楽「和音や低音のはたらき」

合奏の練習に取り組んでいました。最後に、互いに演奏を撮影し合い、自分の演奏を聴きながら客観的に振り返りを行っていました。1時間の振り返りとしても有効ですが、毎時間撮影して残しておくことで、自分自身の上達ぶりを実感することにもつながる活動でした。

 6年生 外国語「Lesson3 ツアープランナーになろう」

教科書を大きく映し出すことができる指導者用デジタル教科書の画面を指し示しながら説明するので、先生やALTが英語で話す内容も分かりやすく伝わっていました。また、端末を使って、行ってみたい国を示しながら英語で表現するなど、端末があることでコミュニケーションがより豊かになっていました。

中学校

1年生 理科「動物の分類」
 
今日の給食に使われている食材について、一人一人が端末を活用し、画面上で操作しながら分類していました。植物性の食材の分類では、こんにゃく芋やゴボウなど、単子葉植物か双子葉植物か分からないものが出てきました。そこで、今度は分担し、検索をして調べることになりました。普通に検索するのではなく、画像検索をすることで、これまでの学習内容を生かした理科的な視点での調べ学習となっていました。自分たちで課題を解決していく学習活動となっていました。

2年生 道徳「郷土を愛する態度『伝えるということ』」
 
挿絵を大きくモニターに提示しながら教材文の音声を流すとともに、一人一台端末で学習者用デジタル教科書の教材文を文字情報として見るという学習からスタートしました。グループで話し合い、考えをまとめた後、興居島中学校とテレビ会議でつなげ、意見を交流しました。オンラインでつながることで、これまで小規模校では実現しにくかった多様な考えに触れるという学習が成立していました。

3年生 社会「日本の現状とこれから」

選挙の投票率が下がっていることを学んだ後、投票率を高める方法について考えを出し合いました。また、投票しないと罰則がある国があることを知り、日本で行うことに賛成か反対かということを話し合いました。資料の中から考えの根拠となる部分をモニターで示しながら伝え合うことで、学びを深めることにつながっていました。これまで積み上げてきた教育実践と、ICTとの調和を図ることで、授業効果が高まっていました。

 

日浦小・中学校の取組を見て、端末が学校を変えるのではなく、子どもたちのために端末を有効に使って授業改善をしていこうとする先生方によって、学校は変わるのだと感じました。

校長先生は、「ICTの苦手な先生も一生懸命取り組んでいます。頑張って使ってみたら、またいろいろな可能性があることも分かりました。」とおっしゃっていました。